古民家再生カフェ
2017年02月20日:リフォーム部 溝口
皆さん、こんにちは。リフォーム部の溝口です。
2月も下旬になりましたが、まだまだ厳しい寒さが続きますね。風邪などをひかないように気をつけてくださいね。
さて、本日は茅野市で当社がリフォームをした古民家カフェをご紹介いたします。
今回のお施主様である神奈川県鎌倉市にお住いの正橋様は山が好きで、憧れの田舎暮らしを夢見ていました。
『いづれはカフェを開店したい』との想いがあり、山登りで訪れ、慣れ親しんでいた長野県で物件を探していました。

長野日報(2017年1月1日発行)に記事が掲載されました。
そして昨年、八ヶ岳の麓に位置する茅野市泉野にある築100年以上の古民家を見つけました。
正橋様は黒光りする太い柱や梁を使った日本家屋を見た瞬間に、 『ここに住みたい!』 と一目惚れをされたそうです。
そして古民家を購入後に、当社の諏訪支店がカフェと住宅のリフォームを施工しました。

施工前外観・内観
設計と施工の担当は古民家再生の実績が豊富な沖本社員が担当しました。
沖本社員は日本の伝統的な木造建築の持つ懐かしさや温もりのある雰囲気を残しつつ、断熱性能の向上や生活のし易さを両立させる設計をしました。

床下は石積の基礎でしたが、天井を解体すると立派な梁が現れました!
外観は古い瓦や建具を使用した風格のある雰囲気はいじらずに、なるべく現状の形を残す事になりました。
内観はもともと広い客間として使用していた和室をカフェのスペースにして、住宅の中央に厨房を設けることで、居住スペースとカフェを同じ空間として使用できる配置にしました。

解体した壁から建築時の古い新聞記事が見つかりました
リフォームは昨年の秋から伝統工法の経験と知識が豊富な職人さんの手により着工されました。
天井を解体すると、70センチはある太い梁などを使った骨組みが現れました。この梁や柱が釘や金物を使わずに接合されています。
今のプレカットされた木材で建てられる住宅とは違い、昔の職人さんの繊細な技法で造られた構造体を見ると、その智恵と伝統技術に驚かされます。

施工状況 (床構造は全て新しくしました)
今回のリフォームでは長年遣い込まれた天井の骨組みをあえて現しにして、趣のある雰囲気を残しました。
こうすることで、高い天井の開放感と梁を見せる事による空間の重厚感が生まれます。

柱や建具の塗装には、和歌山県産の自然素材である柿渋の墨を使用しました
床を解体すると、ところどころに置かれた川石が床を支えています。予想はしていましたが、住宅の柱や梁に比べるとあまりにも頼りない基礎でした。
これらの石は撤去して、束石を配置して床構造を造作しました。さらに、曲がっている柱も多くあったので、ジャッキを使い柱を入れ替える作業もおこない、苦労をしながら現場作業は進みました。
解体された住宅からは昔の住人が使用していた囲炉裏や、建築時に使われた当時の新聞などが見つかり、改めてこの家の歴史の重みを感じることができました。
リフォームは順調に進み、9割ほど完成し、あとは内装工事と電気工事を残すまでとなりました。
正橋様のご希望で、仕上げの塗装と照明器具の取付はご自分で施工をされます。

カフェスペース (壁の塗装と照明器具を取付ければ完成です)
元の住宅からガラリと変わり、趣のあるカフェスペースがほぼ完成しました。
和室の壁を撤去して、広々と寛げる一つの大きな空間となっています。
天井の長年使い込まれ黒光りした梁と、珪藻土の壁、無垢材の床により、温もりのあるお洒落な古民家カフェとなりました♫
正橋様にもリフォームの仕上がりにとても満足して頂きました。
正橋様、この度は本当にありがとうございました。

和室の居間です。和紙調の内窓を取付けました。
設計・施工を担当した沖本社員に今回の工事のポイントを尋ねたところ、 『古民家の持つ基本的な構造や独特の趣は残しつつ、大胆な空間造作を試みました。特に、カフェスペースは古民家の美しさと居心地の良さを両立させる事に苦労しました。今回は柿渋の塗料や無垢材、漆喰などの自然素材を多く使うことで、統一感をだし、お客様にとって居心地の良い空間ができたと思います。さらに、構造体の一部や建具などをなるべく再利用することで、建設時の廃棄物が少ない環境に優しい工事ができました。古民家の欠点である、断熱性能や気密性は断熱材や窓サッシを設けることで改善しました。』 とコメントを述べています。

住宅の中央にある厨房です
現在、正橋様が仕上げ工事をしているこの古民家カフェですが、今年の4月にオープン予定です。
開店した際には、このブログでもご紹介いたします。
正橋様のホームページも開設されましたので、ぜひご覧下さい。
http://www.massanchi.jp/

重厚な天井の梁です。カフェを訪れた際にはぜひご覧ください。
現在、日本では820万戸の空き家があり、これから進む人口減少によりますます空き家が増えることが予測されています。
そのため、政府は空き家対策を重要な課題として、中古物件の売買を活性化する施策を打ち出しています。
これからは欧米のように、新築住宅だけでなく古民家をリフォームして先祖代々受け継いだ住宅を大切に暮らすような選択をする時代になるかもしれません。
そんな古民家再生や中古住宅のリフォームは実績豊富な当社にお任せ下さい。
長野県の風土にあった快適な住宅をご提案いたします。
住宅のリフォームのお問合せはお近くの各支店にお問合せ下さい。
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